ハイテク技術と魚が出会ったら――。最近、日本の漁業は減少が続いています。海面温度の上昇や漁業者の高齢化などの問題が原因で、養殖業界に期待が高まっています。その中でも注目を浴びているのが、陸上養殖です。人工知能(AI)やネットにつながるIoTなどのハイテク技術を使い、より効率的で生産性の高い漁業を実現するというのです。
最近、ソフトバンクがAIやニューロサイエンスなどを研究するテクノロジー推進室で、陸上養殖の技術開発に力を入れていることが明らかになりました。ソフトバンクは、北海道大学と美深町とのパートナーシップを結んでおり、チョウザメの養殖事業に取り組んでいます。
陸上養殖では、ソフトバンクがAIを使って生産性の高い3次元CGを制作し、個体の成長や卵の量を外見で判定できるようにします。これにより、養殖場においてより効果的な育成が可能になると期待されています。また、ソフトバンクと美深町の取り組み以外にも、京都大学の水産スタートアップであるリージョナルフィッシュでは、ゲノム編集技術を使ってマダイやトラフグの育成に成功しています。
ゲノム編集は、生物の遺伝情報を改変して品種改良する技術です。例えば、マダイでは筋肉の量を増やすために遺伝子を切断しています。これにより、通常の養殖物の1.2倍以上の筋肉量を実現しています。これまで数十年かかっていた品種改良が、短期間で実現できるようになると期待されています。
陸上養殖は、海や川での従来の養殖と比べて環境負荷や作業の危険性が低いため、今後ますます注目を浴びるでしょう。海面温度の上昇や乱獲などにより日本の漁業が危機に直面している中、陸上養殖は有力な対策となることが期待されています。
さらに、陸上養殖は新規参入が比較的容易であり、地域によっては水産県になる可能性もあります。海に面していない群馬県や埼玉県でも養殖業が展開される可能性があるのです。
このように、AIやゲノム編集などのハイテク技術が魚の養殖に活用される時代がやってきました。私たちがこれからも美味しい魚を食べられるのは、こうした技術の進化があるからこそです。将来はもっと効率的で持続可能な漁業が実現することを期待しているガールズオピニオンのパートタイムブロガー、れいなでした!