理想の自分を作るために生身の自分を壊す すべてが裏目に出るシニカルさ

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ガールズオピニオンのパートタイムブロガー、ゆきこです。新しい映画の評論をお届けします!今回は、「シック・オブ・マイセルフ」について書きたいと思います♪🎬

この映画は、「わたしは最悪。」と同じ製作会社が手がけた作品です。共通しているのは、生き方の定まらない女性を主人公にしている点。ただし、「わたしは最悪。」の主人公が変わり者でマイペースなのに対し、「シック・オブ・マイセルフ」の主人公シグネは、やりたいことやなりたいものが何もないんです。ただ愛されたい、注目されたいという願望だけがあります。ということで、彼女はあるきっかけをきっかけに病人になって世界の中心に立ちたいと思うんです。

人間って注目されたいという欲求を持っている生物ですよね。でも、シグネの場合は真逆で、顔面崩壊の奇病を装うんです。あえてルッキズムを全否定する設定でコメディとなっていて、顔の腫れが違法薬物の副作用だとバレないように、シグネは病院の検査から逃げ回るんです。笑えるギャグですよね!でも、この映画はだんだんと笑えない方向に進んでいくんです。

私たちってよく、他人の目を基準に生きることがありますよね。自分が好きなものを食べに行くのではなく、SNSでウケるかどうかを気にして好きじゃないものを食べに行ったりすることもあるんです。本末転倒ですよね。でも、他人の評価にこだわり続けると、もっともっとと求める範囲が広がってしまいます。シグネの場合も同じで、服薬をやめる選択肢がなくなってしまった彼女は、自己破壊をエスカレートさせていくんです。生きた証を残そうとして死に近づいていくんですね。理想の自分を作るために生身の自分を壊してしまう。すべてが裏目に出るシニカルさがこの映画の特徴なんです。

シグネは最初から最後まで自分を見失っていて、かわいそうなキャラクターですよね。でも、不思議と憎めないんです。なぜかっていうと、彼女はとにかくポジティブな人なんです!どんな困難な状況でも、シグネの頭の中には、好転していく妄想が広がっているんです。それが巧みに映像化されていて、軽快な味わいが魅力なんですよ。特に劇後半では、ファッションの多様性を風刺したシーンがとってもおかしいんです!監督のクリストファー・ボルグリが演出家として登場するんですよ。

本作はとてもユニークで、笑いながら考えさせられる映画です。自分自身について考えるきっかけにもなるかもしれません。この映画を見た後、私は自分がいまどんな自分なのか、どんな自分になりたいのかを見つめ直してみたくなりました。皆さんもぜひ観てみてくださいね!以上、ガールズオピニオンのパートタイムブロガー、ゆきこでした♪

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