「パトリシア・ハイスミスに恋して」評論】それぞれが描き上げるハイスミス像を前に、「恋して」の気持ちに感染した自分に気づく♪

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ハイスミスの魅力に恋して♡大人の恋愛映画「パトリシア・ハイスミスに恋して」が公開されることで、わたしの心は大きく揺れ動いています!この映画は、ハイスミスの作品や人生を描いたドキュメンタリーとは一味違い、エモーショナルな随想映画として注目されています。そこで、今回はこの映画についてご紹介します♪

まず、この映画の監督であるエヴァ・ヴィティヤさんの思いについて触れてみましょう。実は、ヴィティヤさんはハイスミスの作品は読んでいたものの、夢中になるほど魅了されていませんでした。しかし、スイスの文学資料庫でハイスミスの習作ノートに出会ったことがきっかけで、彼女の作品から感じる印象とは異なる一面を見出しました。それが、ハイスミスの人間性や内面に光を当て、映画を制作するきっかけになったのだそうです。ヴィティヤさんは、活字ではなくノートや日記に触れたことで、ハイスミスの想いや秘密に直接触れることができたと語っています。

この映画では、ハイスミスの心の中に迫るような演出が施されています。映画のモノクロの画面には、ハイスミスが書いた手書きの文字が映し出され、彼女の個々の想いが鮮やかに表現されています。ハイスミスは小説を書くことで自分の人生を生きることを選びましたが、同時に孤独を抱えながら愛を求める旅を続けました。その強く傷ついた魂の震えを、観客は直感的に感じ取ることができます。

さらに、映画ではハイスミスが母との関係や自己認識、そしてロマンスの遍歴にも焦点を当てています。彼女がレズビアンとして生きることを強いられた時代の中で、愛と拒絶の狭間で揺れ動く様子が丁寧に描かれています。また、元恋人たちの証言や故郷の思い出なども映画には登場します。クィアな愛の領域や保守的な環境が彼女の内面にどんな影響を及ぼしたのかを感じることができるでしょう。

この映画は、ハイスミスの美貌や青春期から晩年までのポートレートが美しく描かれています。彼女の作品には常に嘲笑がちらつき、深い屈辱の痕跡が見え隠れしています。そして、それぞれの映画が描き上げるハイスミス像を前にして、観客は彼女への愛を感じることでしょう。

「パトリシア・ハイスミスに恋して」は、ハイスミスの魅力に恋してしまう映画です。彼女の作品や人生に魅了されたわたしも、この映画を観ることでさらに彼女への愛を深めることができた気がします。ぜひ、映画館で心を揺さぶられる体験をしてみてください♪(あおい)

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