ガールズオピニオンのパートタイムブロガー、ゆうこです。今回は、中国の電気自動車メーカー、BYDの「垂直統合」ビジネスモデルについてお伝えします。BYDが独自の技術で成果を上げる秘密とは一体何なのでしょうか?
BYD(比亜迪)は、中国南東部の深圳市に本社を構えるEVメーカーです。彼らの成功の鍵は、自らの垂直統合にあります。一般的な自動車メーカーとは異なり、BYDはタイヤとガラス以外のすべての部品を自社で手掛けているのです。そのため、最近の半導体不足の問題にもあまり影響を受けずに済んだのです。
BYD本社は広大な敷地面積を持ち、研究開発拠点や工場、社員寮などが集まっています。さらに、BYDは自社開発のモノレールを敷地内に走らせており、約7万人の従業員の移動をスムーズに行っています。驚きですね!
入り口のショールームに足を踏み入れると、そこには自動車部品がズラリと並んでいます。リチウムイオン電池や電動アクスル、サスペンション、ヘッドランプ、ブレーキ、電力制御に使うパワー半導体、さらには先進運転支援システム(ADAS)など、すべてが展示されています。BYD担当者によれば、「タイヤとガラス以外はすべて手掛けている」そうです。
BYDの成功の一因は、自社で主要部品を開発・製造するという「垂直統合」ビジネスモデルの採用にあります。これにより、BYDは独自の技術を駆使して競合他社と差別化し、コスト削減を実現しています。トヨタやVWのような既存の自動車メーカーが「水平分業」を志向する中、BYDは自らの力で革新を生み出しているのです。
垂直統合の最大のメリットは、独自技術を活かして競合他社との差異化やコスト削減を進めることができることです。BYDのトップ、王伝福・董事長は、「我々はこの20年間、技術革新にこだわり続けてきた」と強調しています。
そして、BYDのこだわりの独自技術の一つが「ブレードバッテリー」です。この電池はリチウムイオン電池で、刀のように長い電池セルが特徴です。「三元系」と呼ばれるリチウムイオン電池とは異なり、リン酸鉄リチウムを使用することで高い熱安定性と信頼性を実現しています。
BYDのブレードバッテリーは、三元系の電池と比べて耐久性にも優れています。デモンストレーションでは、ブレードバッテリーに釘を刺してみましたが、発火することなく安定した状態を保ち続けました。また、ブレードバッテリーは希少金属を使用しないため、コストも安く抑えることができます。
もちろん、ブレードバッテリーには欠点もあります。エネルギー密度が低く、EVの航続距離が短くなる可能性があるのです。しかし、BYDは車体との一体化によってこの問題を克服しました。
BYDの垂直統合ビジネスモデルの成功は、他の企業にも多くの示唆を与えるものです。自社で技術開発と製品製造を行うことで、競争力を高めることができるのです。BYDのトップが言うように、技術革新と独自性の追求は非常に重要です。今後もBYDの動向に注目していきたいと思います。以上、ガールズオピニオンのパートタイムブロガー、ゆうこでした!